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「経済界」2015年12月22日号

「経済界」2015年12月22日号

リハコンテンツ 山下哲司社長

リハビリ型デイサービスで業容を急拡大

65歳以上の高齢者の占める割合が全人口の4分の1を占める高齢社会に突入した日本。しかも、この高齢化現象はますます加速、必然的に要介護者の増加を伴うことになる。そんな中、介護による人的負担を軽減させるデイサービスに注目が集まっている。

リハビリ型デイサービスとは

 現在、国内に要介護認定者数は600万人超といわれているが、今後の人口動態から考えると、その数はさらに増加することは間違いない。特に脳卒中や脳梗塞など介護を要する疾病の発症率は高齢者になればなるほど高くなる傾向にある。また一方で認知症等といった要介護者も近年、著しく増加するなど介護関連業界に対する社会的要請は日を追って強まるばかりだ。

 しかし、その一方で、受け入れ先の1つとなる老人ホームも、費用負担が比較的軽い特別擁護老人ホームは順番待ちが常態化している。民間の老人ホームは高額負担ゆえ誰でも入所できるわけではない。そうなると要介護者を持つ家族は必然的にデイサービスを頼るしかなくなる。しかし、デイサービスは、あくまで日帰りの通所介護サービス。昼間を除けば介護から逃れることはできないのだ。

 「家族に要介護者が出ると極端な話、これまで描いてきた人生設計そのものを根本から見直さなければならないケースが多い。特に近年、介護のために会社を退職しなければならない"介護離職"が社会問題になっていますが、われわれのビジネスモデルは、そんな状況を改善できる可能性を秘めたデイサービスなのです」と語るのはデイサービス「リハプライド」をフランチャイズ展開するリハコンテンツの山下哲司社長だ。

 それでは、同社の提供するデイサービスは従来型のデイサービスとは何が違うのだろうか。

 デイサービスとは、要介護者の自宅に迎えに行き、衆目監視のもと施設内で他の通所者とともに食事や入浴サービスを受けるというものだ。しかし、これは極端な話、要介護者を集め、ただ空間を提供しているにすぎない。

 それでも、介護者を持つ家庭にとっては、従来に比べ精神的、肉体的苦痛からは解放されるありがたいサービスである。しかし、それは、単に要介護者が施設にいる間の一過性のものにすぎない。その状況は、その後も継続していくことになり、本来的に介護負担から解放されることにはならないのだ。

 なぜなら、そこには改善という概念がないからだ。あくまでもデイサービスは、要介護者を持つ家庭の負担を軽減することにフォーカスしているのだ。

 だが、リハコンテンツの運営するリハプライドの発想は全く違う。同社の提供するサービスを一言で表現するならば、要介護者の「自立を促す」ことを目的とした「リハビリ型デイサービス」ということになる。

 同社ではドイツで開発されたリハビリマシーンを導入、専門教育を受けたスタッフが要介護者それぞれにあったプログラムを作り、無理のないリハビリトレーニングを実施するのだ。

 「マシーンを使ったリハビリというと過度な負荷を連想されるかもしれませんが、それは違います。要介護者の症状によって異なりますが、多くは手足を上げる、曲げる、伸ばすといった、ごくごく一般的な身体運動を繰り返すというものです」(同)。

パワーリハビリテーションのすごい中身

 リハプライドが推奨するリハビリは、「パワーリハビリテーション」と呼ばれるもので、6台の専用マシーンを使用し、動かなくなった筋肉(不活動筋)を活動筋に復活させることに主眼を置いている。

 勘違いしてはいけないのは、パワーリハビリは、俗にいう「筋トレ」とは全く違うということだ。軽い負担をかけながら、正しいポジショニングで同じ動作を繰り返すことで、座る、立つ、歩くといった日常に必要とされる筋肉機能を取り戻す可能性を高めるというものなのだ。

 実際、リハプライドのパワーリハビリを受けたことで、寝たきりだった要介護者が起き上がり、歩行できるまでに回復したケース等、これまでの臨床で改善が見られた例は数多い。

 同社では、現在、リハプライドのフランチャイズを積極展開しているが、「リハビリ型デイサービス」の優越性を聞きつけた異業種からの参入オファーが引きも切らない状況にある。

 デイサービスに通いながら、自立が促進されるのであれば、要介護者を持つ家庭にとってはまさに光明。先々の不安が払拭されれば、これまでどおりの生活を取り戻すことができるのだ。

 近年、介護疲れに起因する悲惨な事件が相次いでいる。これらの多くの原因は将来を悲観してのものが多い。
 同社の「リハビリ型デイサービス」は要介護者を持つ家庭にとって救世主とも言える存在になるのではないか。