メディア情報
「シニアビジネスマーケット」2017年6月号

[企業レポート/リハコンテンツ(株)]
リハビリ成果研究発表会を東西で開催
自立支援介護などの講演も
パワーリハビリによる改善事例を発表
サービス向上につなげるプログラム提供の情報の場
リハビリ型デイサービス「リハプライド」のフランチャイズ展開を行なうリハコンテンツ(株)(社長山下哲司氏、千葉県船橋市)は、5月13日、東京・虎ノ門の「発明会館」にて、「第5回 リハビリ成果研究発表会」を開催した。
同発表会は、同社が提供する機能回復プログラム「パワーリハビリテーション」(以下、パワーリハビリ)による顕著なリハビリ成果につき、全国171(2017年5月現在)のリハプライド加盟店から応募を受け付け、事前に選ばれた上位4事業所が事例発表を行なうもの。併せて日本顎咬合学会元会長で指導医でもある歯科医・河原英雄氏による特別講演、同社顧問で国際医療福祉大学大学院教授の医学博士・竹内孝仁氏による基調講演も行なわれた。
「高齢者の健康・長寿を支える総義歯の役割」と題して行なわれた河原氏の講演では、食べ物を口で咀嚼して食べることも重要性について言及。「噛む」ことにはより脳の血流がアップするだけでなく、運動機能の向上にも大きな役割を果たすという。咀嚼において重要なのは「歯」であるが、高齢者の多くは「義歯が合わない」「うまく咬めない」といった悩みを抱えている。しかし、しっかりと咬める義歯に変えたことにより、著しく身体・認知機能が向上した事例を紹介。また歩き方を忘れ、話すこともしなくなった男性が、歩行・会話が楽しめるまで回復した例や、胃ろうとなった認知症の女性が、口から食べられるようになり、会話ができるようになった事例などを紹介された。
介護現場では多職種協働が必要だが、そこに歯科医も交えて連携することで、高齢者の健康寿命を大きく伸ばせる可能性が高くなるとの提案もなされた。
一方、竹内氏は「健全かつ持続可能な介護保険のために―自立支援介護のすすめ」をテーマに講演。自立支援介護の主な内容は、排泄や歩行の再獲得を試みる「身体的自立」「胃ろうの経口常食化」「認知症の改善」。これらを実践することで、医療費の大幅な削減が可能だという。特に肺炎や骨折は自立支援介護を行なうと減少することから、全介護保険利用者が自立支援を行なえば8692億円もの医療費の削減につながるという試算も発表した。
また、自立支援による家族の介護負担の軽減については、たとえ要介護度3〜5の重度であっても、排泄の自立と移動の安全、食事の提供が確保できれば、家族はつきっきりで介護にあたる必要がないため、介護離職のリスクも低減できるとした。
そのなかでパワーリハビリを採り入れた通所介護施設を展開する(株)ポラリスによる兵庫県宝塚市における利用者の介護度改善実績(2013〜15年)についても紹介された。介護度が高い人ほどパワーリハビリを行うと改善率が高いことが報告されており、「政府は、今後の介護政策において、自立支援介護へと大きく舵を切ろうとしており、その一番近い場所にいるのは、パワーリハビリのノウハウをもつ事業所として、各加盟店が重要な役割を担うものと強調した。
またリハビリ成果研究発表会では、全事業所によるネット投票で事前に選ばれた上位4事業所が登場。「後期高齢者・・に対するパワーリハビリテーションにより行動変容をもたらした一例」(リハプライド前橋広瀬)、「もう一度、お店で働きたい!〜脳出血からの社会復帰」(リハプライド栃木平柳)、「退院直後からのパワーリハビリテーション」(リハプライド西尾)、「指定難病・後縦靱帯骨化症を原因とした頸髄損傷、寝たきり・車椅子からの復帰」(レッツ倶楽部三沢堀口)をテーマに、それぞれプレゼンテーションが行われた。
なお、5月20日には大阪会場(大阪ビジネスパーク)にて、西日本地区からの応募による発表会も開催された。
同社では今後もこうしたリハビリの成果についての検証と表彰を継続して行なうことで、さらなるサービスの向上につなげていきたいとしている。